あの夏の話

私にとっての「あの夏」は、NEWSと出会った夏だ。しかも2つ。出会いが2つあるのもおかしい話だが少しだけ話させてもらう。どちらも大切で大切でしかたない夏だから。

 

1つ目は2016年の夏。7月になって日差しも強くなり、ヘトヘトになって小学校から帰ってきたら、母親がテレビを見ていた。それが変ラボだった。どうやら「小学生にウケる遊び」という題名に惹かれて録画していたらしい。私もどんな遊びが紹介されているのか気になったのでランドセルもおろさずにその番組を見ることにした。見ていると、出てきたのはガタイが良い赤髪の男の人。しかもランドセルに黄色い帽子まで被っている。そんな男が発した言葉は

「こんにちは!5年3組増田貴久です!」

これが私と増田さんの出会いだった。

当時私は、私と1個しか変わんないわけないじゃん!小学生にしては大きすぎるよ!とただただ純粋に笑っていた。この5年後にこの大きな小学生に身を捧げることになるとも知らずに。その後私は変ラボにそれはまあどハマりし、慶ちゃんが脱ぐ姿に照れ、シゲの運動神経の悪さに腹を抱え、手越が科学技術から逃げまくるのに興味津々になっていた。そしてなによりも、増田さんの胸キュン企画に小学生ながらに大興奮していた。女性に肩をマッサージをしてもらい、その最中にいきなり女性の手を引っ張り無理やりバックハグさせる、マッサーバーグ。まじで興奮していた。いまだに好きな男性にやられたい胸キュン仕草第一位である。いま思えばあれは恋だったのかもしれない、そのくらい雄っすーに興奮していた。

また、その年はNEWSが24時間テレビのメインパーソナリティを務めており、その中の企画として目や耳に障害をもつ子供たちとよさこいを踊る企画があった。ここからは少し繊細な話になるが、正直私は障害を持つ人に対して良くない目で見たことは一度たりともないが、どう接するのが最適なのか分からず学校にそのような子がいても少し距離を置いてしまうことがあった。しかし、そんな私をあのよさこいが変えた。こんなに楽しそうに、嬉しそうに踊ることが出来るんだ。私と何も変わらないんだ。そう思えて、このとき私の中で何かが変わった。そして、子供たちと一緒に笑顔で楽しそうに踊るNEWSが輝いて見えて仕方がなかった。最高にかっこよくて最高のジャニーズだった。番組終盤に増田さんが泣いてフルスイングを歌えなくなったときにはもう私はNEWSに、増田貴久に心をしっかり奪われていた。NEWSが大好きになった。

 

2つ目は2021年の夏。1つ目のあの夏から5年後。この5年の間もNEWSが好きなことには変わりなかったが、ファンと言える程でもなく、なんとなくNEWSのメンバーが出ているドラマやバラエティを見たりシングルの表題曲ぐらいは知っているぐらいの人間でいた。それを変えたのがボイス2とEndless Summerだった。

ボイスは初期から見ており、続編ちょっと気になるから見てみるかーなんて気持ちで見ていた。だから2話の衝撃のキスシーンもさほどショックは受けなかったし、「えーまじかこの女やば」なんてうっすい感想しか抱いていなかった。ではなぜボイス2は私を変えたのか。私が衝撃を受けたのはキスシーンではなくその後の透ちゃんがなにか怪しい薬を飲みながら頭を抱えているシーンだった。所詮ドラマと思って見ていた私だがさすがに「え……透ちゃんやばくない……?大丈夫……?」と見入ってしまった。次の3話、4話…と透ちゃんがどんどん闇へと向かっていってしまう姿から私は目が離せなかった。

このように私は徐々にボイスの世界観に飲み込まれて透ちゃんの魅力に深くはまっていくいくのだが、ボイス、透ちゃんが好きだっただけなら私はこの夏を「あの夏」であると言わないだろう。この2021年の夏が私にとっての「あの夏」であるのは、Endless Summerに出会ったからだ。

中学に入学してから2年半の間はやく辞めたいと常に思いながらも頑張ってきた部活を終え、いよいよ高校受験に向けて本腰を入れなければならなくなった夏休み。ただただ勉強するのもつまらないので音楽を聴きながら勉強することにした。いつもはその時ハマっていたアニソンをループさせていたが、1週間もそれを続ければ飽きがやってくる。たまには違う曲も聴いてみようと、再生したのがビューティフルの通常盤だった。ボイスに増田さん出てたし聴くか、そんな軽すぎる気持ちだった。レンタルさんを観ていたのでビューティフルのCDは既に借りており、とりあえず全曲プレーヤーに取り込んではいたがビューティフルしか聴いていなかったしカップリングなど把握すらしていなかった。逆にそれが良かったのかもしれない。部活が終わった夏。勉強を頑張らなければならない夏。目標に向かって走らなければならない夏。ひとつ大人になるための夏。輝く自分をつかむための夏。そんな夏を過ごしていた私にとってEndless Summerは衝撃でしかなかった。この曲が刺さらないわけがなかった。そして私は5年前の夏を思い出した。私ずっとNEWS好きだったんだ。ずっとNEWSに支えられていたんだ。あのよさこいに、フルスイングに、生きろに、そして今、Endless Summerに支えられているんだ。そう感じてしまったからには、もうNEWSの虜である。YouTubeでMVをリピートし、NEWSの基本情報を改めて調べ直し、四部作という素晴らしいものを作り上げていたと知る。夏が終わる頃には完全にチームNEWSになっていた。

 

私の人生における「あの夏」はこの2つの夏だけだ。Endless Summerを初めて聴いたとき、私にとってあの夏ってなんだろうと考えていたが、そうやってあの夏について考えていた夏がいまの私の「あの夏」である。あんなに輝かしい夏はどう考えてもあの2つしかない。一応16回夏を越しているがそのなかで特に印象に残っている夏がどちらもNEWSによるものなのは面白いなとも思うし、ある種の奇跡でもあるなと思う。

いまも、これからも、人生楽しいだけではないだろうけど、私の心(ここ)にはあの夏があるし、多分、NEWSと一緒にいたらあの夏は増えていく。あの夏はまだまだやって来る。私がありふれた大人になってしまってもNEWSはあの夏と私をずっと繋げてくれる。いまのNEWSを見ているとそんな気がしてならない。あの夏と、NEWSと、私はもう一度、輝く自分を探す旅に出る。

 

 

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